いじめにあった話その1
私は生涯で2度いじめに遭いました。
この事は家族や当時の先生やクラスメート以外は誰も知りません。
いじめから解放された後に出会った人たちには一切話したことがありません。
今回ここでこの話を書こうと思ったのは、今年で50歳になり、過去を振り返る機会も多くなり、もうずいぶん昔の話ですしもう誰かに話してもいいかと思ったからです。
また、いじめの話を聞くたびに心が痛み、特に子供を持つ親御さんたちには子供の異変を見逃してほしくないという思いもあります。
一度目は幼稚園の時です。
同じクラスに体の大きないじめっ子(男子)がいました。
私の何が気に入らなかったのかよく分かりませんが、私は子供のころから周りの子供よりも体が小さかったので、いじめやすかったのかもしれません。
私は幼稚園に行くのが嫌でした。
ある日、どうしても行きたくなくて、コタツの中に隠れました。
家じゅう大騒ぎになりました。
外からは、父や母が私を捜し、呼ぶ声が聞こえてきます。
そのうち見つかってしまいましたが、その直後どうなったのかは憶えていません。
おそらくその日ではないと思うのですが、私の記憶では、幼稚園の送迎用の車(バスではなく普通の乗用車でした。)に乗せられて、車の中から自分の家が次第に遠ざかっていく風景を寂しい気持ちで見ていたのを今でも憶えています。
いじめから解放されたのは父の転勤にともない、郡山への引っ越しが決まったからです。
最後の登園の日、クラスの皆一人ひとりとお別れの握手をしましたが、そのいじめっ子はわざと強く私の手を握ったのを憶えています。
郡山に来て、別な幼稚園に通いましたが、そこではいじめはありませんでした。
むしろ転校生の私はクラスの皆から珍しがられ、人気者となりました。
何かの催し物でクラスの代表を選ぶ時には、よく私が選ばれました。
ある時、先生が「いつもじゅん君ばかりだから、今回は別な人を選ぼうね」と言ったのを憶えています。
クラスに仲のいい友達ができ、休み時間に一緒にサッカーボールでよく遊びました。
その友達とは小学校が別だったので卒園とともに会うことはなくなってしまいました。
(いつかその2を書きます。)