男女差別

・医学部入試での差別


 ある複数の大学の医学部入試で、女子や浪人生を不利に扱っていたことが明るみになりました。教育に携わる者として、このようなことは言語道断と感じます


 女子を差別した理由の一つとして、ある大学の場合、入試の面接では、女性はコミュニケーション能力が生まれつき高いので、不利になる男子の点数を補正した(つまり男子の受験生の点数プラスした)ということを新聞で読みました。
苦し紛れの言い訳に過ぎないのかもしれませんが、実にひどい話です。


 女性のほうが生まれつきコミュニケーション能力が高いなどとは疑わしいです(上記の大学の場合、ある論文を根拠にしたそうです)が、生まれつき、というのが本当にあったとして、男女関係なく、生まれつきの能力を生かして何が悪いのかと思います。そもそもその能力がどの程度生まれつきで、どの程度本人の努力の成果なのか、大学側はどうやって判断するのでしょうか。
 たとえていうなら、生まれつき身体能力の高い人がスポーツ選手になってはいけないのでしょうか。


 きっと、医師は男性が多く、看護師と薬剤師は女性が多いということと無関係ではないのでしょう。

 


・かつて働いていた塾での経験


 上に書いたことと関連します。私は20代の頃、ある学習塾で働いていました。郡山市でできたばかりの塾でした。最初は正社員希望で応募しましたが、塾側の都合でとりあえずアルバイトで採用されました。

 

 夏休みになり、教室を増やすと言うので私に正社員(教室長)としての採用の声がかかりました。教室長というのはいわば店長のようなものです。

 その時の代表者(男性)A氏の言葉です。

「本当は女性のほうがいいんですよねぇ」

「女性の方がコミュニケーション能力が高いじゃないですか」

 

 教室長は保護者や生徒を相手に面談などをやるのでコミュニケーション能力が高い方がいいのでしょうが、女性だから、男性だから、というのはやはり差別でしょう。

 

 この代表者とは考えが合わないと感じたのでお断りしました。しかし、私にはすでに指導中の生徒もいることですし、それから数年の間アルバイトとして働くことになりました。

 

 後日談ですが、ある日、机の上に資料らしきものが置いてありました。よく見ますと、地方の経済誌のようなものの切り抜きで、A氏が別の塾にいた時のその塾の社長のインタビュー記事でした。


 わが社では女性のコミュニケーション能力の高さを活かすため、多くの女性社員を教室長として登用しています。という事が書いてありました。

 今から20年ほど前の話です。

 

 

・逆プロポーズという言葉


 これは最近の話です。テレビを見ていたら「逆プロポーズ」という言葉が出てきました。

 

 女性から男性にプロポーズすることを「逆プロポーズ」といいます。これも差別だと感じます。本来プロポーズは男性から女性にするもの、という差別意識が見えます。

 

 言葉に敏感にならなければいけないテレビでさえ、いまだにこのような状態に驚きです。

2020年06月04日