日本語のローマ字表記について

新年度が始まりました。

 

新中学校1年生は英語の授業を本格的に習うと思います。

ここで、昔から感じていたことを書きたいと思います。

それはローマ字表記についてです。

例えば、「福島」は「Fukushima」、「鈴木」は「Suzuki」と書きますね。これは日本の地名や日本人の名前をローマ字で表したもので、漢字や仮名文字を読めない外国人に読めるようにしたわけです。

 

私も記憶にありますが、このようなローマ字表記は小学校で習います。これを覚えるために、ローマ字表記で日記を書く、という宿題が出たことがあります。

例えば、「僕は今日、鈴木君と野球をしました。」と言う文を、全てローマ字表記で「Boku wa kyou Suzukikun to yakyuu wo simasita」というふうに。

ローマ字表記を覚えるためとしてはいいのかもしれません。

ところが、です。このローマ字表記が頭にこびりつき過ぎて中学校からの英語の学習に支障をきたす場合があります。

 

かつて教えた生徒は、「Thank you」を「センキュー」(あえて、カタカナで書きます)と読み、意味は「ありがとう」の意味だと知っていました。

(時々「テンキュー」と読んだりもしました。頭文字がTだからタ行だと思ったのでしょう。)

ところが、「ありがとう、は英語で何というか?」と問題を出すと、「センキュー」と答え、「じゃあ、英語で書いてごらん」と続けて問題を出すと、なんと「Senkyu」とか「Tenkyu」などと書いてしまうんです。

頭の中にある英語の読み方を、そのまま日本語のローマ字変換でやってしまうわけです。

こういう生徒はごく一部かもしれませんが、似たような間違いをしてしまう生徒(特に中学生)は多いのではないでしょうか。

(例えば、「泣く」をcryではなく、craiと書いてしまったり。)

 

ローマ字表記は、あくまでも日本の地名や日本人の名前をローマ字で表すために使うだけのもの、と教えると同時に、簡単な英単語の読み方をも練習させるべきと思います。(「同時に」という点が大事です。)

 

ローマ字表記では単語の先頭にある「a」は「あ」ですが、英語では「all」「apple」「art」「April」の中の「a」のように同じ文字でも発音が異なる事がある、としっかり教えるべきです。

 

小学校では上で書いたような宿題をやらせるくらいなら、社会の学習もかねて、日本の都道府県名や自分が住んでいる都道府県内の市町村名を、漢字とローマ字両方で書かせる宿題でも出したほうがいいのではないでしょうか。

 

2020年04月01日