隔世の感2-3~男女の別

・技術科と家庭科
私が小中学生のころ、小学校では図工も家庭科も男女共に授業があるのに、なぜか中学校では技術科は男子のみ、家庭科は女子のみ、と分けられていました。


男は外に出て働き、女はうちにいて家庭を守る、というような当時の世の固定観念を反映してのことだったのでしょう。そして、子供のころからのこのような教育が、更に性差による意味のない役割分担を助長していたんだと思います。(例えば、社会に出てからも、お茶くみは女性の仕事だと当たり前のように受け入れてしまうことなど)


そもそも男は料理ができなくてもよい、という考えならば、なぜ小学校では家庭科の授業で調理実習があったのか、と疑問を感じます。

 

・男子校と女子校

かつて、福島県内には男女別の高校が多くありました。

男子校は福島高校、郡山高校、安積高校、会津高校、磐城高校など、女子高は福島女子高校、郡山女子高校、安積女子高校、会津女子高校、磐城女子高校など。

 

上に書いたのは県立高校ですが、意外にも私立も男女別の学校がありました。

郡山では、日大東北高校普通科が男子クラス(今は普通科しかありませんが、昔は工業系の学科がいくつかありました)、尚志高校は女子校でした。中学校では、ザベリオ中学校が女子校でした。

 

ほぼ全ての高校が共学になったことで、昔よりも選択肢が増えたのはいいことだと思います。

一方で、少しくらい男女別の学校があってもいいのではないか、と思ったりもします。

 

私は男子校に通いましたが、男子校に通えて良かったと思っています。中学生時代、好きな異性には好かれたいと思う一方で、それ以外の異性には接したくない、今どきの言葉で言うなら、女子は「うざい」という気持ちがあり、高校では異性を気にしなくていい気楽さを味わいました。

 

大学は男女共学でしたが、再び女子がいるという事に新鮮さを感じたものです。その時はすでに女子は「うざい」とは思わなくなっていたんですね。

 

かつて短期間だけ教えた女子高校生の話です。その生徒は中学時代、行きたい高校がありましたが、その学校は男子校でした。あと1年早く共学化していれば、入れたかもしれません。とても残念だと言っていました。

その男子校が共学になってから入学した最初の女子生徒を数人教えたことがあります。その生徒たちは決して勉学に励んでいるわけではありませんでした。いったい何のために進学校に入ったのか。私は一人に尋ねました。その時の答えがこれです、「受けたら受かっちゃった」と・・・。

勉学に励もうという意欲もなく、受験したら合格してしまった生徒。

その学校にどうしても行きたかったのに性別の違いで受験資格さえなかった生徒。

教育に携わる者として複雑な気持ちです。

 

2020年03月28日