学習は時間よりも内容や量で管理

かつて教えていたある生徒は、理解がはやく、そして集中力がありました。

 

こちらが問題を出すとすぐに取りかかり、あっという間に解いてしまいます。

 

自宅で復習できるように宿題を出しても、

 

あっという間に終わってしまうようでした。

 

その生徒の母親はもっと宿題を出してください、と言っていました。

 

宿題を短時間で終わらせてしまうので、

 

親からはあまり勉強してないように見えるのでしょう。

 

しかし、教えたことはよく理解できていますし、(その生徒は中学生になってから、学年で1位になったことが何度もありました)

 

簡単な問題を沢山やらせても意味がないので、宿題をむやみに増やすことはしませんでした。

 

長時間勉強しているように見えても、集中していなければ、かけた時間ほどの効果はないでしょうし、

 

逆に集中すれば短時間の学習でも効果は十分にあると思います。

 

もちろん、長時間集中できれば、それはそれでよいのですが。

 

集中して頑張っている子が、時間が短いという理由で

 

さぼっているかのように思われるのはとても理不尽ですね。

 

親や教師が子どもに毎日ある程度以上の決まった時間を机に向かわせようとするのは

 

やや無理があるのではないか、と思います。

 

取りあえず机に向かっても、時々ぼ~としたり、ノートに落書きしたり、

 

そんなことしながら10問くらい問題を解いて、1時間が経った、

 

1時間勉強した気になる、というのは時間がもったいないですね。

 

そんなことなら、はじめから、問題を10問解いたら好きなことをやっていい、

 

としたほうがおそらく集中して短時間で終わらせるのではないでしょうか。

 

私の経験では勉強が好きな子はめったにいません。(だから塾に来るのでしょうが。)

 

そして、集中して勉強するのは疲れるものです。

 

「同じ1時間勉強するなら、集中すると疲れるから、のんびりやろう。」

 

と考える子どもがいてもおかしくありません。

 

 

中学生なら、「今日は2時間勉強する」と決めるよりは、

 

「今日学校で習った連立方程式の問題をもう1回解いて復習する」、「今日学校で習った英単語を練習して覚える」、「ワークを3ページ終わらせる」

 

というように、時間ではなく、内容や量で管理するのがいいと思います。

 

 

ただし、量で管理する場合は注意が必要です。

 

「ワークを3ページ終わらせる」、「数学の問題を10問解く」というような場合は、

 

答え合わせをし、間違えた問題があったら、をなぜ間違えたか、という事を考えたり、調べたりして、

 

問題を解決するまでをその日の学習とします。

 

(ただし、どうしても分からない所は置いておきましょう。)

 

分からないけど取りあえず答えを写して終わり、

 

ということにならないようにしましょう。

 

2016年10月18日